間接部門の業務効率を検証する・・・パーキンソンの第一法則

あなたの会社の間接部門では、無駄な仕事に多くの時間を使っていないか?

「うちの会社は、間接部門は忙しそうにしている割に、ちっとも役に立ってない」、こんな愚痴をよく聞く。確かに調べてみると、何やらみんな急がしそうにしているが、たいした仕事をしていないことが多い。イギリスの歴史家で政治学者のパーキンソンは、イギリスの官僚制を長年にわたり調査して、パーキンソンの第一法則と言われる結論を導いた。その法則とは、次の通りである。

「仕事の量は完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」


時間が限られていれば、優先順位の低い作業は省かれ、本当に必要な事だけが残るものだ。ところが時間にゆとりがあると、無駄な事を色々と始めるようになる。例えば、大して役に立たないマーケットリサーチに半年の時間をかけ、効果の薄いトレーニングにまた半年を費やす。営業活動の承認を取るために、本社で何回も会議にかける。

最初から直接的な仕事(例えば上記では営業活動)を始めていれば、一ヶ月で結果が出たり、課題がわかったりするのに、時間ばかり無題に使っている。笑ってしまうような話だが、似たような状況が多くの企業で起きている。傍から見ていると、たいした仕事もしていないのに、間接部門の本人たちは些細なことに終われて忙しそうにしている。優先順位の低い、効果の薄い作業に追われているから、忙しくても成果は出ない。

特に、事業戦略の決定では、具体的な締切日がはっきりしない場合が多い。そこで、戦略立案などでは、ズルズルと多くの時間を使う。すると、パーキンソンの法則が働き、時間の割に成果が出ないことになる。これが、冒頭で指摘した「間接部門が忙しそうにしている割に役に立たない理由」である。

更に、パーキンソンが行った調査で興味深いものがある。それはイギリス海軍に関するものだ。調査によれば、20世紀前半のイギリス海軍では、戦艦と将兵の数はどんどん減っていたのに、海軍省などの間接部門の人数は増えていたそうだ。まるで、皆さんの会社と似ているのではないだろうか。つまり、工場では自動化を進めて人員を減らし、営業部門ではリストラで人員をスリム化させているのに、本社スタッフは人数が余り減っていないという状況である。

業務改革では、改善目標を非常に高い値に置くことがある。具体的には、改善目標を50%削減とする。普通に考えれば、改善目標は10%とか20%なのだが、敢えて理不尽なほど高い数字にするのだ。10%や20%の改善目標ならば、作業のあり方を見直さずとも処理スピードを上げることで対応できてしまう。しかし、50%削減のような高い目標だと、作業全体のあり方を見直さざるを得ない。優先順位の低い作業を止めざるを得ない。50%削減は、スピードアップだけでは到底実現できない目標だからだ。

あなたの会社の間接部門は、パーキンソンの法則に陥っていないだろうか。多くの人員を抱えている割には、長い時間をかけてアレコレ検討している割には、たいした成果を出していないのではないだろうか。もし、パーキンソンの法則に陥っているのなら、理不尽なほど厳しい改善目標を与えるのが効果的かもしれない。時間が限られて、人員が限られてくれば、本当に必要なことだけを選ぶようになるからだ。


出野 誠

 
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